水害の街に新幹線車両基地があった
長野市の新幹線車両基地は、かつて赤沼か長沼と呼ばれる地域で、沼という字名の通りの低地で、千曲川や浅川の氾濫のたびに沼地になっていた名残りです。
E7系、W7系新幹線車両は、E2系から金沢への延伸、開業によって導入された車両です。今回、無残にも泥水に浸かってしまいましたが、付近の新幹線高架は安全な高さにあり、避難のマニュアルがあっても良かったと思います。
台風19号 北陸新幹線 浸水被害は120両「最悪の場合は廃車に」 #nhk_news https://t.co/fqfty0awfj
— NHKニュース (@nhk_news) October 28, 2019
数年前に車両基地に勤務していた頃、同僚にこの場所は全面水没する可能性のある場所と、昔の水害経験を話していました。当時は話のネタ程度の軽い気持ちでしたし、浅川の護岸工事は終わり、揚水ポンプ場も整備され、水害はもう起きないという前提でJRが車両基地を作ったという噂話も聞きました。
我が家は高台にあり、水害も土砂崩れの恐れもない場所にあり、普段目にすることのないハザードマップを改めてみてみました。すると、新幹線車両基地が水害危険地の紫色にしっかり収まっていました。
新幹線車両基地の付近
https://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/330477.pdf
なぜこんなに紫色なのか?それは先に書いたように低地なことと、千曲川と浅川の合流地点には水門があり、千曲川の水位が上がると、逆流を防ぐために浅川水門が閉じられて後は揚水ポンプ頼みになってしまい、汲む量が間に合わないと当然ながら氾濫します。また、浅川が底が浅く流れ込む細かな支流にも門が付いていて、支流があっちこっちで溢れる危険な川で、それらのツケは赤沼辺りを襲います。
今回の被害は、赤沼、長沼より少し上流の稲穂の千曲川堤が決壊したことが最大原因ですが、今後、千曲川の護岸工事が進み補強されてもこの地域のリスクは残ると思います。犀川と裾花側が合流した千曲川に、ここ豊野で暴れ川の浅川、鳥居川が合流しますから。